Brave moss
私が、苔に興味を抱いたのは我が家のとっても小さい三角の庭スペースがキッカケでした…
狭いし、メダカの池でも造ったらとネットショップで睡蓮鉢を見かけて
ただ置くだけじゃなあって… 少し埋めてみました。花も植えたいと思いホームセンターでレンガ系を物色…
アクアリウムで余ってた風山石を適当に配置。結局、和洋折中もどきの中途半端な庭になってしまいました…
お寺巡りが好きで枯山水や庭園も観ていたのに…
そもそも、庭が小さ過ぎて庭園の発想など無かったけど… 何か違う…
そうか、苔だよ!!
脇役過ぎて意識もしてなかったけど、苔なんだ!!
それまでにも、こころの何処かに苔のイメージがあったのか?雑草だらけの庭を観てたら
ふと、小さいしミニチュア的苔庭にしてみたらって思いつきました!!
早速、苔探し!! 先ずは近所を歩いてみた。以外と無い…
ホームセンターで売ってる?ネットでも!でも、何か買うのに抵抗が…
湖畔の公園を散歩中に発見!! 何と!ベンチの下…
こんなとこに… 側溝の淵… 歩道の縁石にも… 堤防にも着いてた…
地味だなぁ… でも、健気だぁ…
コンビニ袋に詰め込んで庭に直帰!! とりあえず置いてみた…
苔庭に見える!! “苔” 恐るべし!!
あのへなちょこな庭が一気に癒しの空間に!! メダカも喜ぶビオトープ!!
たかが苔… されど苔!!
苔に魅入られた瞬間でした。
その後、ある大雨の日に迷い込んだ一匹のサワガニとの出逢いから
渓谷に出向き、更なる“苔”との遭遇により探究心に火がついて文献を読みあさり
採取・購入・育成と“苔”が生活の中心になってしまいました。f^_^;)
ダラダラと書いてしまいました… すみません。
ここでは、元来ハマってたアクアリウム・テラリウム・ジオラマ趣味から
【TETEN.design-produce/テラリウム】作品につながった“苔”について記して行こうと思います。
TETEN.
The moss
苔とは、四億年前に陸へ進出した最初の植物です。現在、世界中に2万種が様々な環境下で自生しています。
生物学的には苔類と称し、いわゆる“苔”には蘚苔類(せんたいるい)と地衣類(ちいるい)に分けられます。
日本には、約1700種〜2500種の蘚苔類・約2000種の地衣類が分布しています。日本庭園や苔盆景・苔テラリウムで
一般的に利用されるのは蘚苔類の中の蘚類です。(蘚苔類は、蘚類・苔類・角苔類に大別されています。)
苔には養分や水分を吸収し茎葉に送る“根”がありません。自身の茎葉を支える仮根で自立しています。
朝露や雨・空気中の水分、その適正な栄養分を茎葉から直接吸収しています。
故に、肥料は肥焼けを起こし枯れの原因にしかなりません。要らないのです!!
苔も植物ですので光合成は重要です。品種によって適正な日照量には大きな差があります。
苔は乾燥状態になると取り入れた水分が蒸発… しおれます…
しかし、カラカラに乾いたとしても枯れません!! むしろ休眠状態となり休んでいるのです。
したがって、過度の水遣りには問題があります。過湿は蒸れの原因となり苔にとって乾燥より悪い環境になる…
文字にすると難しそうに感じますが、苔は園芸的に、とても丈夫で健強な生き物です!!
その特徴を理解し、環境を整えれば比較的容易に育てられます。
How to enjoy moss
苔に惹かれる方々の楽しみ方は人それぞれです。
苔園芸的には、苔玉・苔鉢盆栽・苔盆景・苔テラリウム・苔トピアリー… そして、苔庭!!
【Diorama & Terrarium/ジオテラ】【Diorama & Biotope/ジオトープ】作品は
苔盆景・苔テラリウムに属します。
以下、作品に癒しを注入してくれる主な苔の種類と特徴をあげてみます。
Attracted somewhere
Kind of moss
苔は多種多様ですが、はっきり言えるのは住みやすい環境下に自生しているということです。
採取においては、近隣・近辺いわゆるご近所が最も適していると言えます。
乱獲や無断・無謀等の無い様、モラルを持ってお裾分けをいただく気持ちで行いましょう。
森林や渓谷等、自然からのお裾分けは苔の自生状況(陽当たり・湿り・土壌)をよく観察して環境整備の参考にしましょう。
苔テラリウムの環境は置く場所により変化します。その苔の特徴を理解して
苔がのんびりと長生き出来る様な、より良い環境を維持しましょう。
Features of moss
乾湿の変化に強いので、最も育てやすい種類です。半日以上、直射日光に当たっても育成可能です。
★ギンゴケ・ホソウリゴケ・ハマキゴケ
生息地:舗道や石垣・ブロック塀・側溝の淵等、一番身近で発見出来る苔です。
特徴:茎は短く葉も小さい。強健な品種で幅広く園芸用に利用されています。コロニーが可愛いです。
自論:地味です… 健気です… でも素敵です!! 派手さはありませんがシブい盆栽では名脇役!!
弱点:常湿地では枯れます。
管理:乾湿に順応出来、過度の水遣りはやめましょう。
用土:土8・砂2
★スナゴケ
生息地:湖畔や河川の石敷きの窪みや砂質の土壌に群生しています。
特徴:茎は直立・湿ると目に見えて葉を広げ、その様は生命力そのものです!! 乾燥に強い!! 特に日向に強く剛健!!(好日性)
自論:黄緑が鮮やか!! 乾燥時の葉を縮めた姿は貧相… 変化に富むので面白い!!
弱点:多湿は厳禁です!!
管理:水の遣り過ぎに注意!!
用土:土5・砂5
★スギゴケ・コスギゴケ
生息地:やや日陰の湿った腐植土や山の斜面の岩盤に見られます。
特徴:茎は直立、極めて硬い。庭園で、よく見かける王道品種です。
自論:スナゴケとはまた一味違う葉の広げ方は、品の良ささえ感じます。
乾燥時の葉を縮めた姿は棒状で粗雑… でも、変化に富んで面白い!!
弱点:蒸れには軟弱です。炎天下にさらすと日焼けも起こします。
管理:乾燥に剛健!! スギゴケは、棒状の茎が伸び続けますので剪定が必要です。
用土:土7・砂2・腐葉土1
多湿を好み、比較的育てやすい種類ですが蒸れに敏感。3~4時間程度の日光から木漏れ日程度。
★ヒノキゴケ・タマゴケ・カモジゴケ(シッポゴケに酷似)
生息地:湿度の高い山地の腐葉土上や渓谷の斜面に群生しています。
特徴:三種とも斜立。ヒノキゴケ・タマゴケは、茎葉が柔らかい。タマゴケ・カモジゴケは茎が短い。カモジゴケは砂質を好みます。
(カモジゴケは、近年シッポゴケとは区別して扱われていますが見た目の特徴はシッポゴケの典型です。)
自論:ヒノキゴケの、柔らかく長い茎葉はスギゴケとは一味違う優しい趣があります。カモジゴケの大振りの葉は存在感があります!!
弱点:苔テラリウムに広く使われていますが、特に蒸れに弱いので密閉は厳禁です!!
管理:表土が湿っていれば毎日の水やりは必要としません。
用土:土6・砂2・腐葉土2
★コツボゴケ・ヒツジゴケ
生息地:湿度の高い山地の腐葉土上や渓谷の斜面に群生しています。
特徴:コツボゴケ・ヒツジゴケとも這い苔。安定した湿度を好みます。
自論:密生した姿も美しい。
コツボゴケは黄緑が映え、その可愛い風貌活かしデコレーション的存在!!
ヒツジゴケは、水中に対して適応正がありテラリウム・ビオトープに最適!! 乾燥すると葉の褐色著しいのが難点。
弱点:特に乾燥に弱いので霧吹きは欠かせないが、蒸れにも敏感なので通気・排水性も考慮しなければならない。
管理:過湿に強く多めの水遣りでも問題なし。
用土:土8・砂2
★ミズゴケ
生息地:森林の湿地や水の滴る岩場に群生しています。
特徴:這い苔。園芸では用土の保湿剤としても知られています。
自論:本来は美しいマット状で葉も整ってますが、保湿剤用は柔らかく型が崩れ繊細な苔テラリウムにはあまり向いていません。
弱点:育成においては蒸れ以外に弱点無し!!
管理:過湿にも乾燥にも強く育成は容易です。
用土:土6・砂2・腐葉土2
ここでは、単に陽当たりだけで括れない苔を紹介します。
★ホソバオキナゴケ
生息地:山地や森林・渓谷の安定した湿度の腐葉土上や雨の当たりにくい樹木の根元に密生しています。
特徴:直立。山苔と称される。茎は短いがコロニーがもっこりと膨らむのでマンジュウの愛称で呼ばれている人気の苔です!!
半日陰の品種ですが乾燥を好みます。(乱獲による減少で、近種のアラハシラガゴケより代用されています。)
自論:庭園ではスギゴケとは一味違う美しさを誇ります!!
弱点:暑さには弱く、多湿・蒸れも厳禁です!!
管理:水遣りは少な目。蒸れない様に密閉はやめましょう。
弱ると直ぐに白く変色するので育成には特に気を遣いますが、回復力が強いので諦めずにテラリウムから場所を変えてみましょう。
用土:土7・砂3
★シノブゴケ
生息地:日陰の湿地上や岩上、腐木上にマット状で群落しています。
特徴:這い苔。葉がシッカリして緑鮮やか!! マット状態で岩や流木にそのまま被せて使えます。
自論:葉がシダにも似て表情豊かなので苔テラリウムでも定番の品種です!!
弱点:炎天下にさらすと日焼けします。
管理:比較的に育てやすい。湿地に群生していますが適度な乾燥も好むので苔テラリウムでの密閉はやめましょう。
用土:土6・砂2・腐葉土2
★タチゴケ
生息地:低地から山地の腐植土上や岩場の上に見られます。都市部にも生息しています。
特徴:直立。スギゴケ科の中では特に砂質を好みます。コロニーは一見スナゴケに似ています。
自論:スギゴケより小さく可愛らしく人気です!!
弱点:炎天下にさらすと日焼けします。
管理:比較的に育てやすい。排水性が良ければ水の遣り過ぎの心配はありません。
用土:土6・砂4
★ハイゴケ
生息地:里山や河原の土手で見かける採取しやすい苔です。
特徴:這い苔。葉はボリューム感があり縮れが少なく、装飾・ディスプレーに大活躍!!。スギゴケ・スナゴケと並んで苔園芸の定番!!
自論:アクアテラリウムで重宝しています!!
弱点:極端な蒸れ以外弱点無し!!
管理:乾湿への順応性は抜群!! 剛健です!!
用土:土8・砂2
★ホウオウゴケ
生息地:山間地の水中や、渓谷の水が滴る様な岩陰に群生しています。
特徴:這い苔。水陸両性!! 鳳凰(ほうおう)の羽根をイメージさせる美しさ!! 気品さえ伺えます!!
自論:アクアテラリウムでも重宝していますが微妙な環境作りは、なかなか難しく上級者レベルの苔と思います。でも… 大好きです!!
弱点:環境の変化に弱い。
管理:テラリウムとしては、常に水に触れる環境下で育てたい苔です。
用土:土8・砂2
★コウヤノマンネングサ
生息地:山地の腐葉土上や渓流の川沿いで見かけます。
特徴:直立。地下茎から分岐する。樹木を思わせる極めて個性のある苔です。
自論:小型の苔テラリウムではアクセント的存在。地下茎により増殖するので育成は苔庭レベルじゃないと難しい。
弱点:乾燥に弱い。直射日光は厳禁!!
管理:湿度を好むので常湿の環境を要します。
用土:土6・砂2・腐葉土2
☆用土のポイントは、固定・保湿・排水です。最も重要なのは蒸れ対策です!!
固定の為の土は粘り気のあるケト土が良いでしょう。保湿には赤玉土、排水効果には砂を用います。
(ケト土と赤玉土は、6:4で混ぜたものを“土”とします。)
品種により、砂・腐葉土をよく練り混ぜて“耳たぶ程度の弾力”が目安です。
【Diorama & Terrarium/ジオテラ】作品ではコロニーがシッカリしている苔は、そのまま配置か箇所によりシリコン樹脂・接着剤で固定します。
※ハイゴケやシノブゴケの様な這い苔には、用土が無くても糸で縛り固定により定着します。
※コロニー(苔同士が集まって出来る塊の状態)それ自体に保湿・排水性があります。
※本文に記載している内容には、一部他の文献から引用しているものがあります。
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